相続放棄をするなら入院給付金や高額療養費の受取人に注意

相続放棄を検討しているが、入院給付金を受け取っていいのか分からず困っていませんか。

入院給付金や高額療養費の判断基準は、誰が受取人になっているかです。

  • 亡くなった人が受取人なら相続財産
  • 亡くなった人以外が受取人なら個人の財産

相続放棄をすると相続財産を受け取ることはできません。つまり、亡くなった人が受取人なら、入院給付金を受け取ることはできません。

今回の記事では、相続放棄と入院給付金・高額療養費の関係について説明しているので、相続放棄を判断する際の参考にしてください。

1.相続放棄をすると相続財産は受け取れない

相続放棄をすると、初めから相続人ではなかったとみなされます。

(相続の放棄の効力)
第九百三十九条 相続の放棄をした者は、その相続に関しては、初めから相続人とならなかったものとみなす。

出典:e-Govウェブサイト(民法939条)

初めから相続人ではないので、相続財産を受け取ることはできません。相続財産には現金や預貯金だけではなく、金銭を受け取る権利も含まれます。

ですので、亡くなった人が受け取るはずだった給付金や還付金は、相続放棄をすると受け取ることができません。

また、相続財産を消費してしまうと単純承認とみなされるので、相続放棄ができなくなる点には注意が必要です。

2.入院給付金の受取人は契約で決まっている

亡くなった人が医療保険に加入していると、入院給付金が発生することもあります。
*契約の内容によります。

入院給付金
病気や怪我で入院した際に支払われる給付金のこと

相続放棄をする場合に一番気を付けなければいけないのは、誰が入院給付金の受取人になっているかです。

入院給付金の受取人は約款(契約)で決まっています。

2-1.亡くなった人が受取人なら相続財産

基本的に入院給付金の受取人は、亡くなった人(本人)になっていることが多いです。
*約款で本人限定になっていることもあります。

入院給付金の受取人

本人が受け取る前に亡くなっていれば、入院給付金を受け取る権利は相続人が引き継ぎます。

したがって、相続放棄をすると入院給付金は受け取ることができません。

2-2.家族が受取人なら個人の財産

入院給付金の受取人を、配偶者や子どもにしている場合もあります。

配偶者や子どもが受取人なら、相続人としてではなく個人の権利として受け取ります。

したがって、相続放棄をしても入院給付金は受け取ることができます。

医療保険であっても死亡保険であれば、基本的に家族が受取人になっているはずです。

3.高額療養費の受取人は法律で決まっている

亡くなった人の医療費が高額だと、高額療養費が払い戻されることがあります。

高額療養費
1ヶ月にかかった医療費が自己負担額を超えた場合、後から払い戻される制度のこと

イメージとしては、払い過ぎた医療費が戻ってくる感じです。

高額療養費の受取人は、法律で決まっています。

(高額療養費)
第五十七条の二 市町村及び組合は、療養の給付について支払われた一部負担金の額又は療養(食事療養及び生活療養を除く。次項において同じ。)に要した費用の額からその療養に要した費用につき保険外併用療養費、療養費、訪問看護療養費若しくは特別療養費として支給される額若しくは第五十六条第二項の規定により支給される差額に相当する額を控除した額(次条第一項において「一部負担金等の額」という。)が著しく高額であるときは、世帯主又は組合員に対し、高額療養費を支給する。ただし、当該療養について療養の給付、保険外併用療養費の支給、療養費の支給、訪問看護療養費の支給若しくは特別療養費の支給又は第五十六条第二項の規定による差額の支給を受けなかつたときは、この限りでない。

出典:e-Govウェブサイト(国民健康保険法57条の2)

高額療養費の受取人は世帯主または組合員です。

高額療養費の受取人が亡くなっていれば、相続人が受け取る権利を引き継ぎます。

3-1.亡くなった人が世帯主・組合員なら相続財産

亡くなった人が世帯主または組合員なら、高額療養費を受け取る権利は相続人が引き継ぎます。

例えば、世帯主である父親が亡くなった場合、配偶者や子どもが相続人として権利を引き継ぎます。

相続人として受け取るので、相続放棄をすると受け取ることはできません。

3-2.亡くなった人が世帯主・組合員以外なら個人の財産

亡くなった人が世帯主または組合員以外なら、高額療養費は個人の財産として受け取ります。

例えば、世帯主が夫で亡くなったのが妻であれば、相続放棄をしても高額療養費は受け取ることができます。

あくまでも、世帯主として受け取るので、相続人かどうかは関係ありません。

4.その他の給付金(還付金)も受取人で判断する

医療費に関するその他の給付金(還付金)も、すべて受取人で判断します。

  • 療養補助金
  • 入院見舞金
  • 重度心身障害者医療費助成金
  • 過誤納還付金

上記以外にもあると思いますが、受取人が亡くなった人であれば相続財産、受取人が別の人であれば個人の財産です。

受取人が分かりにくい場合は、支払元に聞いてみてください。「受取人は亡くなった人ですか」や「相続放棄をしても受け取れますか」と聞けば、支払元は教えてくれます。

5.さいごに

亡くなった人の医療費が高額だと、入院給付金や高額療養費を受け取りたくなります。

ですが、受取人が亡くなった人だと、相続放棄をすると受け取れません。亡くなった人の権利は相続人が引き継ぐからです。

相続放棄をするなら以下の2つを覚えておいてください。

  • 受取人が亡くなった人なら相続財産
  • 受取人が他の人なら個人の財産

相続放棄をすると相続人ではないので、相続財産を受け取ることはできません。

相続財産を消費すると単純承認とみなされる恐れがあるので、受取人の確認は確実にしておいてください。

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