司法書士試験を独学で勉強して受かるのかどうか、インターネットで検索している人は多いです。
実際、独学で合格したという記事も複数あります。
一方で、「書いてあることが本当かどうか怪しい」と感じたことはないですか。
独学で合格したと書いているが、司法書士の登録はする予定がない。あるいは、内容を読んでみたら独学は難しいから、資格の学校を勧めている記事(広告記事)もあります。
結論から言えば、独学での合格は可能です。私自身が働きながら独学で合格しています。
もちろん、資格の学校に通われて勉強した方が、合格する可能性は高いでしょう。
独学で勉強していると不安になることも多いので、私の体験談を気分転換にお使いください。
司法書士試験を受けるまでの経歴
まずは、私の学歴と職歴からです。
資格試験に独学で受かるかどうかに、学歴と職歴は関係ないので気にする必要はありません。合格できる可能性は誰にでもあります。
最終学歴が中卒でも独学で合格できる
独学で合格した人の学歴を確認すると、〇〇大学法学部と書いてあることが多いです。法学部でなければ独学は難しいのかと思うかもしれません。
ですが、私の最終学歴は中卒です。〇〇大学法学部でなくても、司法書士試験に独学で合格することは可能です。
初めて司法書士試験の勉強した際は、読めない漢字もありましたが、それでも独学で合格できました。
結果論ですが、資格試験に合格するかどうかに学歴は関係ないです。
法律に関係ない職歴でも独学で合格できる
独学で合格した人の中には、法律事務所で働きながら勉強した人もいます。法律事務所で働いているから、独学でも合格できたと思うかもしれません。
ですが、私は法律事務所で働いたことがありません。試験勉強を始める前は、広島市の自動車部品工場で働いていました。
試験勉強を始めた後は、派遣社員として地方都市(呉市・高松市・岡山市・姫路市・東近江市等)を移り住みながら働いていました。派遣会社が用意してくれた寮で生活しながら勉強です。
司法書士の新人研修が始まる4日前まで、三重県名張市でリチウム電池の製造をしていました。
途中で派遣切りをされ、住む所が無くなったりしたのも、今振り返れば話のネタになるので役立ってます。
*一週間程は家が無かったので、京都でネットカフェ難民になっていました。
法律事務所で働いたことが無くても、独学で司法書士試験に合格することは可能です。
司法書士試験の勉強を始める前の状態
司法書士試験の勉強を始める前の状態についても書いておきます。
本当に何も無い状態から独学で勉強を始めたので、スタート地点はどこからでも大丈夫です。
資格試験の勉強経験が無くても大丈夫
司法書士の勉強を始めるまで、他の資格の勉強をしたことが無かったです。当然ですが、司法書士試験の難易度も知りませんでした。
生まれて初めて資格試験の勉強をしたのが、司法書士試験です。勉強は中学を卒業してから14年ぶりでした。
ですので、他の資格試験を勉強したことが無くても、司法書士試験に独学で合格できます。
司法書士を選んだ理由は特に無し
私が司法書士を選んだ理由は特にありません。
何か資格を取得しようと思い、行政書士を検索していたら司法書士がヒットしたのがきっかけです。
「司法書士」という言葉も初めて見ましたし、「司法書士」という漢字を見ても、何をする人なのか分かりませんでした。
ネットで行政書士より司法書士の方が難しいと書いていたので、「勉強するなら難しい方がいいかな」ぐらいの軽い気持ちでした。
スタート時に強い気持ちが無くても、独学で合格することは可能です。
独学を選んだ理由はネットに書いていたから
独学を選んだ理由は、ネットで勉強方法を検索していたら、独学でも合格できると書いていたからです。
2年間勉強したら素人でも合格できると書いていたので、素直に信じて勉強しました。
一応、資格の学校もネットで調べたのですが、費用が高すぎて選択する気が起きませんでした。
ただし、司法書士の過去問や予想問題集は、1冊数千円はします。独学であっても、ある程度の費用はかかります。
司法書士試験の勉強について
司法書士試験の勉強についてです。
記事を読んだ方は驚くかもしれませんが、何も知らない状態で適当に自分で考えた勉強方法です。
ですので、効率の良い勉強方法とは言えませんし、すべての人に合うわけでもありません。
勉強方法は100%独学なので他は知らない
100%独学の勉強になります。模試も受けていないので、独学しか知らないです。
知り合いもいなかったので、全部自分で勝手に考えて勉強していました。今から考えると無駄も相当あります。
特徴としては、テキストは買わずに勉強を始めます。最初にテキストを読んでも時間の無駄なので、過去問だけをひたすら勉強します。
ちなみに、他の資格を勉強するときも、テキストは買わずに勉強を始めます。
*簿記や会計の場合は除きます。
受験回数は2回だけど1回で合格したかった
受験回数は2回。試し受験等もしなかったです。本当は1回で合格するつもりでした。
「中卒が独学で工場の派遣で働きながら1回で合格する」のに拘り過ぎたのが失敗の理由です。
ですので、普通に勉強すれば、働きながら1回で合格することは可能だと思います。
独学の欠点は自分の力が把握しにくい
独学でずっと勉強していたので、自分の力がどの程度なのか把握しにくかったです。
私の場合は司法書士の勉強をしながら、別の資格試験を受けました。
宅建と行政書士とビジネス実務法務検定(2級・3級)を、自分の実力を確認するために受験しました。
普通の考えでは「二兎を追う者は一兎をも得ず」になるのですが、独学なので自分勝手に受験です。
宅建士や行政書士試験に無事合格できたので、自分の勉強法でも結果が出るのだと自信になりました。
どんなに効率が悪くても毎日勉強する
独学の欠点は、自分を注意する人がいないことです。「勉強を休む理由」はいくらでも作れます。
私の場合は、司法書士の勉強を始めてから合格するまで、どんな状況であっても1日も休まず勉強すると決めていました。
高熱で体が動かなくなった際は、布団の中で過去問を2問だけ勉強。
派遣切りで住む所が無くなった際は、京都駅の地下でベンチに座って予想問題集を勉強。
効率だけ考えるなら、上記の勉強は無意味です。ですが、自分を甘やかさないという意味では重要でした。
資格試験は長期戦になりやすいので、モチベーション(やる気)維持にも役立ったはずです。
もちろん、私のやり方が正解というわけではないので、他の人の考えも参考にしてみてください。大学受験の記事ですが、やる気の上げ方について詳しく書かれています。
過去の自分に独学のアドバイス
私が過去の自分に勉強方法をアドバイスするなら、以下の3つになります。
- ひたすら司法書士試験の過去問を解け
- ノートは作成するだけ時間の無駄
- 予想問題集は解けなくて当たり前
それぞれ理由を説明していきます。
ひたすら司法書士試験の過去問を解け
ひたすら司法書士試験の過去問を解くのが重要です。
分からなくても問題に挑む
初めて過去問を解くときは、分からなくて当然です。私が初めて過去問を解いたときは、不動産登記という言葉も知らなかったので、問題を読んでも何のことか分からなかったです。
同じく、初めて民事訴訟法を30問解いたときは、勘で答えても4問しか正解できませんでした。正解の少なさに呆然としていた記憶があります。
ですが、問題を解いて解説を読むを繰り返していれば、勝手に分かるようになります。
*過去問は分野別に分かれている本をお勧めします。
正解が分かるだけでなく、○×の個数問題に変わっても解けるようにします。
また、択一の過去問をしっかり理解できていれば、記述式を解く際にも役に立ちます。
過去問は何回でも解けばいい
よくある疑問として、「過去問を何回やればいいのか?」があります。
私の考えは、何十回でも何百回でも解くです。過去問を解き過ぎたから、司法書士試験に落ちたという人はいないと思います。
実際、私も過去問に飽きて別の資格試験(司法試験等)の問題集を解いたりしましたが、時間の無駄なので司法書士試験の過去問をひたすら解きましょう。
過去問はスピード重視で解く
司法書士試験に限らないのですが、難易度が高い資格では試験時間に余裕がありません。
そのため、普段の勉強から時間をかけずに解く練習をしておきましょう。
過去問を解く際には、スピード重視で解いていきます。慣れると1問1分ぐらいで解けます。
※問題によってはもう少しかかります。
私は、過去問を32問で1セットにしていたので、約30分で解いていました。
※ノートの都合上32問でした。
ノートは作成するだけ時間の無駄
司法書士試験に限らないのですが、分からない知識をノートにまとめるのは止めた方が良いです。
ノートを作成していると勉強している気分になりますが、結果的に時間の無駄になります。
なぜなら、過去問をひたすら解いていれば、ほとんどの知識は頭に入るからです。ノートを書いている時間があれば過去問を解きましょう。
実は、私もノートを作成しましたが、まったく役に立ちませんでした。自分で作ったノートよりも、過去問の解説ページの方が詳しく書いてあります。
ある程度、勉強が進んだ段階で、どうしても覚えられない部分だけメモ帳(ポケットサイズ)に書いておきます。通勤時間や休み時間などがあれば、メモ帳に目を通します。
予想問題集は解けなくて当たり前
過去問を解けるようになれば、次は予想問題集を解きたくなります。
予想問題集に挑む前に覚えておいてほしいのは、分からない問題があっても気にしないことです。
私も初めて予想問題集を解いたときは、分からない問題が多くて挫けそうになりました。
ですが、予想問題集は過去問に無い問題を複数混ぜているので、解けなくて当たり前です。
重要なのは、過去問で出題されている問題が解けているかです。過去問の知識で7割から8割は正解できます。残りの2割から3割は、予想問題集を一度解けば頭に入ります。
予想問題集を解くのは、過去問を補完するためです。あくまでも、メインは過去問となります。
ちなみに、予想問題集で分からない問題に出会ったら、ラッキーぐらいに思いましょう。本試験前に自分が知らない知識を知ることができたからです。
記述式を解くには時間の確保が重要
働きながら司法書士試験の勉強をしている人にとって、記述式を解くのは困難になります。
なぜなら、記述式の過去問を1問解くのに、1時間から1時間半ぐらいかかるからです。
※勉強の初期ほど時間がかかる。
記述式に時間をかけすぎると、択一の過去問を解く時間が少なくなります。
以下は、私が記述式の時間を確保するためにしていた工夫なので、参考にできる部分があれば利用してください。
- 法律部分と記述部分を分けて解く
- 記述を上手く省略して解く
法律部分と記述部分を分けて問題を解く
記述式をすべて解くと時間がかかるので、「法律部分」と「記述部分」に分けて問題を解いていました。
法律部分とは、問題文に書かれていることを読んで、何を書くか考える部分のことです。
仕事がある日は記述式の法律部分を解いておき、休日にまとめて記述部分を解きます。記述部分をまとめて解くことで反復練習にもなります。
択一の過去問を解きながら、記述式の法律部分も解くのが平日の勉強です。
記述を上手く省略して問題を解く
記述部分を書くのに慣れてきたら、上手く省略して解くようにしましょう。
例えば、記述する代わりに口述するのも、時間を省略する方法の一つです。
口述できるのであれば記述できるので、わざわざ毎回書く必要はないでしょう。
ただし、1問解くのに何分かかるかを知っておくのは重要なので、省略せずに問題を解く練習もしておいてください。
さいごに
あまり一般的な経歴ではないので参考にならないでしょうが、気分転換のお役に立てれば幸いです。
司法書士試験に合格してからも、資格の取得は続けています。私が受験した資格試験に関してだけですが、全部独学で合格できています。
正しい努力を人よりも続ければ、資格試験は必ず合格できます。
よくある質問
ホームページを読んだ人から質問があったので、以下に書いておきます。
- 勉強は1日どれぐらいしていましたか?
-
平日は3時間30分ぐらいで、朝1時間30分・昼30分・夜1時間30分の割合です。
休日は6時間ぐらいで、朝2時間・昼2時間・夜2時間の割合です。 - 休日は遊んでいましたか?
-
勉強割合を見てもらえれば気付くと思うのですが、休日だからといって1日中勉強はしていないです。
基本的に休日は遊んでいました。ただし、試験の1カ月ぐらい前からは、気持ちが高まってきたので勉強時間も増えました。 - 六法全書は読みましたか?
-
司法書士の新人研修に参加するまで、六法全書は読んだことが無かったです。
新人研修の持参物に六法全書があったので、その際に初めて買いました。 - 仕事は何時間労働でしたか?
-
働いていた工場によって違うのですが、司法書士試験を受けたときは4勤2休で日勤と夜勤の交代勤務でした。昼勤を4日間したら次は夜勤を4日間します。
実働は10時間・休憩が1時間30分でした。 - 独学で受かると思った理由は何ですか?
-
資格試験のことを何も知らなかったのが理由です。司法書士試験の難易度などは、まったく知りませんでした。
ネットを検索したら独学で合格できると書いてあったので、疑うことなく独学で勉強しました。 - 司法書士試験に合格するのに、勉強は何時間必要でしょうか?
-
分かりません。
勉強を始める際のスタートラインが人によって違うので、必要な勉強時間も人によって違います。 - 同じ勉強をすれば司法書士試験に受かりますか?
-
分かりません。
本文にも書いたのですが、私の勉強法は無駄も多いです。自分に合った勉強法を見つける方が、合格の確率は上がるでしょう。 - テキストは買わなくても大丈夫なのですか?
-
初心者がテキストを読んでも理解するのは難しいです。理解できないテキストを読むより、過去問で経験を積む方が役立ちます。
テキストを買うなら、過去問に慣れてから上級者向けのテキストを買った方がいいです。 - 模試を受けなかった理由は何ですか?
-
受けなかった理由は、わざわざ受ける理由が無かったからです。
ただし、自分の実力を確かめたいなら、受ける価値があります。 - 予想問題集は解いた方が良いですか?
-
解いた方が良いです。理由は2つあります。
1つ目は、法改正等で過去問に無い知識を補充できる。
2つ目は、今まで出題されていない部分を補充できる。 - 他に独学で受かった人を知っていますか?
-
同じ年に合格した人の中にも1人いました。
詳しい話はできなかったのですが、勉強方法は過去問をひたすら解くでした。 - 徹夜で勉強をしたことはありますか?
-
ありません。
徹夜で勉強をしようと思ったことはありますが、眠たくなると集中力が切れるので止めました。 - 行政書士試験は司法書士試験より簡単でしたか?
-
法律の問題は行政書士試験の方が簡単でしたが、一般常識の問題でめちゃくちゃ苦戦しました。
一般常識の足切り(部分点)に引っかかるところでした。 - 勉強机が家に無くても合格できますか?
-
私が住んでいたのは派遣会社が用意した部屋なので、勉強机はありませんでした。
段ボールに問題集等を積め込んで、机代わりにして勉強していました。 - 一度目の不合格で独学を諦めようと考えましたか?
-
まったく考えなかったです。
一度目の試験終了時に、来年合格できると確信できました。 - なぜ、不合格になったのに確信できたのですか?
-
一度目に不合格になった理由が独学とは無関係だったからです。
一度目の試験でも午前の択一は31問正解だったので、独学でも結果が残せるんだと喜んでいました。 - 凡人でも努力すれば合格できますか?
-
できます。私も凡人なので努力しかしてないです。
効率の良い勉強方法を考えることができないので、愚直に努力したら合格しました。 - 語呂合わせで覚えたりしましたか?
-
語呂合わせも少し使いました。
自分で適当に作った語呂合わせでしたが、今でも覚えています。 - 勉強スケジュールを立てた方が良いですか?
-
分からないです。
私の場合は何も考えずに勉強していたので、スケジュールは特に無かったです。 - 周りの人に助けてもらったことはありますか?
-
一切無いです。助けがなくても独学で合格できます。