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【性別変更の要件】6つの条件をすべて満たす必要がある

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戸籍上の性別を変更するには、家庭裁判所の手続きが必要です。

ただし、性別変更には6つの要件があり、すべて満たす必要があります。

どれか一つでも満たしていなければ、性別変更は認められません。

今回の記事では、性別変更の要件について説明しているので、性別変更を検討されている人は参考にしてください。

1.2人以上の医師から性同一性障害であると診断

性別変更には性同一性障害の診断書が必要

性別変更の要件1つ目は、2人以上の医師により性同一性障害であると診断されているです。

以下は、法律の条文です。

(定義)
第二条 この法律において「性同一性障害者」とは、生物学的には性別が明らかであるにもかかわらず、心理的にはそれとは別の性別(以下「他の性別」という。)であるとの持続的な確信を持ち、かつ、自己を身体的及び社会的に他の性別に適合させようとする意思を有する者であって、そのことについてその診断を的確に行うために必要な知識及び経験を有する二人以上の医師の一般に認められている医学的知見に基づき行う診断が一致しているものをいう。

出典:e-Govウェブサイト(性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律2条)

性別変更ができるのは、「性同一性障害者」と診断されている人です。

性同一性障害者と診断されるには、少なくとも2人以上の医師の診断結果が一致する必要があります。

2人以上必要なのは、医師により判断基準に差があり、間違った診断をする可能性もあるからです。
*過去には間違って性別変更をされた人もいたそうです。

 

2.性別変更できるのは18歳以上

性別変更できるのは18歳以上

性別変更の要件2つ目は、年齢が18歳以上です。

以下は、法律の条文です。

第三条 家庭裁判所は、性同一性障害者であって次の各号のいずれにも該当するものについて、その者の請求により、性別の取扱いの変更の審判をすることができる。
一 十八歳以上であること。

出典:e-Govウェブサイト(性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律3条1項)

日本では満18歳が成年年齢とされており、性別変更という重大な判断は未成年には認められていません。

仮に法定代理人(親権者等)の同意があっても、18歳未満の性別変更は認められません。

司法書士から一言令和4年4月1日に成人年齢が18歳に引き下がったので、性別変更の要件も18歳以上になります。

 

3.婚姻中は性別変更できない

性別変更するには現に婚姻していない

性別変更の要件3つ目は、現に婚姻していないです。

以下は、法律の条文です。

第三条 家庭裁判所は、性同一性障害者であって次の各号のいずれにも該当するものについて、その者の請求により、性別の取扱いの変更の審判をすることができる。
二 現に婚姻をしていないこと。

出典:e-Govウェブサイト(性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律3条2項)

現に婚姻している人が性別変更すると、同性婚になるので認められていません。

現に婚姻をしていないなので、過去に結婚していても問題ありません。事実婚(内縁関係)は法律上の婚姻ではないので、手続きを進めることが可能です。

当然ですが、性別変更後に婚姻することはできます。

 

4.子どもが未成年だと性別変更できない

性別変更するには現に未成年の子がいない

性別変更の要件4つ目は、現に未成年の子どもがいないです。

以下は、法律の条文です。

第三条 家庭裁判所は、性同一性障害者であって次の各号のいずれにも該当するものについて、その者の請求により、性別の取扱いの変更の審判をすることができる。
三 現に未成年の子がいないこと。

出典:e-Govウェブサイト(性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律3条3項)

現に未成年の子どもがいないなので、成年の子どもがいても問題ありません。

性別変更後に養子縁組をして、未成年の子どもを受け入れることは可能です。

 

5.生殖機能が残っていると性別変更できない

性別変更するには生殖機能が残っていない

性別変更の要件5つ目は、生殖腺がない又は生殖腺の機能を永続的に欠く状態にあるです。

以下は、法律の条文です。

第三条 家庭裁判所は、性同一性障害者であって次の各号のいずれにも該当するものについて、その者の請求により、性別の取扱いの変更の審判をすることができる。
四 生殖腺がないこと又は生殖腺の機能を永続的に欠く状態にあること。

出典:e-Govウェブサイト(性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律3条4項)

性別変更後に生殖機能が残っていると、子どもが生まれる可能性があるので、性別変更の要件に加えられています。

例えば、女性から男性に性別変更した後で妊娠すると、男性と男性の間に子どもが生まれます。

司法書士から一言令和5年10月25日、最高裁が違憲と判断したので、法改正される可能性が高いです。

生殖腺を除去している

男性から女性(MtF)なら睾丸の摘出、女性から男性(FtM)なら卵巣・子宮を摘出となります。

生殖線の機能を永続的に欠く状態

女性は卵巣の機能が停止すると生殖能力がなくなります。つまり、生殖腺の機能を永続的に欠く状態といえます。

 

6.他の性別の性器の部分に近似する外観を備えている

性別変更するには外観を備える

性別変更の要件6つ目は、他の性別の性器の部分に近似する外観を備えていることです。

以下は、法律の条文です。

第三条 家庭裁判所は、性同一性障害者であって次の各号のいずれにも該当するものについて、その者の請求により、性別の取扱いの変更の審判をすることができる。
五 その身体について他の性別に係る身体の性器に係る部分に近似する外観を備えていること。

出典:e-Govウェブサイト(性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律3条5項)

公衆浴場(銭湯)などで社会的な混乱を招かないため、性別変更の要件に加えられています。

外観を備えているかを家庭裁判所でチェックするわけではなく、医師の診断書への記載で確認します。

 

7.まとめ

性別変更の要件は6つ

今回の記事では「性別変更の要件」について説明しました。

性別変更するには、6つの要件をすべて満たす必要があります。

  • 2人以上の医師により性同一性障害であると診断されている
  • 18歳以上である
  • 現に婚姻をしていない
  • 現に未成年の子どもがいない
  • 生殖腺がない又は生殖腺の機能を永続的に欠く状態にある
  • 他の性別の性器の部分に近似する外観を備えている

ただし、それぞれの要件には批判もあり、法改正により変更する可能性もあります。性別変更の手続きをする前に、現時点での法律を確認しておいてください。