実家の相続をどうするのかは、すでに家族で決めていますか。まだ決めていない場合は、早めに話し合っておくことをお勧めします。
なぜなら、話し合いを後ましにすると、色々な問題が発生するからです。
実家の相続問題を複雑にしないためには、早めに解決をしておく必要があります。
早めに解決する方が費用・手間の両方でメリットがあるので、今回の記事を参考にしてください。
目次
- 誰が実家を相続するのか
- 相続財産が実家しかない場合
- 実家以外の財産を欲しがる場合
- 相続登記を放置すると後が大変
- 実家の共有はデメリットが多い
- 共有状態は揉めやすい
- 相続発生で共有者が変更
- 持ち分を処分するのは自由
- まとめ
1.誰が実家を相続するのか
遺産分割をする際に実家(不動産)が原因で、相続人間で揉めることがあります。
揉める理由は様々ですが、以下の2つが多いです。
- 相続財産が実家しかない
- 実家以外の財産が欲しい
1‐1.相続財産が実家しかない
亡くなった人の財産が実家しかなければ、実家の処分を巡って揉めやすいです。
①実家に住みたい相続人がいる
実家に住みたい相続人がいると、住まない相続人には何もメリットがありません。
実家を譲る代わりに金銭を要求することもできますが、実家に住む相続人に金銭的余裕が無ければ難しいです。
②実家の処分時期
実家を売却して金銭に変えてから、相続人間で分割する方法もあります。
ただし、亡くなって直ぐに実家を処分することに、反対する相続人もいます。相続人全員の同意が無ければ、実家を処分することはできません。
実家を処分するまでの間は固定資産税等も発生するので、誰が負担するのかも決める必要があります。
1‐2.実家以外の財産が欲しい
実家以外にも相続財産があると、誰も実家を欲しがらないことがあります。
なぜかというと、実家に住む予定が無ければ、相続しても意味がないからです。
*資産価値がある場合は除きます。
相続財産に預貯金等があれば、使い勝手の良い方を選ぶ相続人が多いです。
遺産分割で実家を相続する人がいなければ、妥協案として相続人全員で共有にすることがあります。ですが、実家を共有にするのは、デメリットが多いので止めておいた方がいいです。【3.実家の共有はデメリットが多い】でも説明しています。
2.相続登記を放置すると後が大変
不動産の所有者が亡くなると、通常は相続を原因に所有権移転登記をします。
ただし、名義変更されずに何年も経過している不動産も多いです。なぜなら、相続登記が義務ではなかったので、積極的に変更する相続人が少なかったからです。
不動産を処分する場合や銀行の担保にする場合には、名義変更が必要なので相続登記も行われています。それに対して、空き家になって誰も住んでいない場合等は、名義変更をしないまま放置されています。
空き家問題や所有者不明土地問題が社会問題になったことにより、相続登記が義務化されることになりました。
実家の登記名義を変えずに年月が経過すると、後から相続登記をする際の費用が増えやすくなります。相続人が複数人いると、費用の負担等でも揉めやすいです。
相続を話し合う際には、相続登記についても決めておいてください。
3.実家の共有はデメリットが多い
相続により実家を共有にするのは、デメリットが多いので止めた方がいいです。実家の共有とは、相続人が複数人で不動産を所有している状態です。
不動産が共有名義になっているなら、早めに解消することをお勧めします。
主なデメリットは以下の3つです。
- 共有状態は揉めやすい
- 新たな相続が発生する
- 持分を処分するのは自由
3‐1.共有状態は揉めやすい
相続により不動産を共有にすると、後々揉める可能性が高いです。
- 不動産の処分で揉める
- 家賃等の支払いで揉める
- 管理費用で揉める
詳しい説明は別記事でしているので省略しますが、共有者が増えるほど揉めやすいです。
3‐2.新たな相続が発生する
共有者もいつかは亡くなるので、相続により共有者が変更することになります。
共有者の持分は相続人に相続されます。最初は兄弟で共有していても、相続が発生すると甥・姪と共有になることもあります。
共有者が変更になれば、それだけ揉める可能性も高くなります。
3‐3.持ち分を処分されるリスク
共有不動産を売却するには、共有者全員の同意が必要です。
ただし、自分の持分を売却するのは自由ですし、共有者の同意も不要です。
昔は持分だけを売却するのは難しかったです。ですが、最近はインターネットで簡単に持分買取会社を探すことができます。
とりあえず共有にしても、第3者が急に共有者になる可能性があります。
4.さいごに
実家の相続はトラブルが発生しやすいです。
- 誰が相続するのか
- 登記名義の変更
- 共有状態
親が不動産を所有していると、いつか必ず話し合う時がきます。後回しにせずに家族で決めておいてください。すでに共有状態になっている場合は、早めに解消することをお勧めします。
誰も住む予定が無ければ、空き家にせずに処分しておきましょう。放置しておくとトラブルが発生する可能性もあります。