疎遠な父親が遺言書で農地を押し付けてきたので相続放棄した事例

疎遠な父親が遺言書で不要な不動産を押し付けてきたので相続放棄したケース
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疎遠な父親が遺言書で農地を押し付けてきたので、相続放棄して遺言書の効力(農地の部分)を無効にした事例。

相談者40代女性
被相続人父親
状況遺言書で農地を押し付けてきた
遺言書価値ある財産は後妻の子
結果農地が不要なので相続放棄した

このページは遺言書で農地を押し付けてきたので相続放棄した事例の解説です。遺言書と相続放棄について詳しく知りたい方は、以下の関連記事をご覧ください。

目次

司法書士への相談に至った事情

相談者が司法書士への相談に至った事情を説明します。

父親は再婚しており疎遠な関係だった

相談者の父親は離婚後に再婚しており、相談者は何十年も父親とは会っていませんでした。

そのため、父親の生活状況について何も知らず、保有資産についても知らなかった。

父親には再婚相手との間に子もいますが、相談者は一度も会ったことがない。

父親が亡くなり弁護士から書面が届いた

数日前、弁護士より書面が届き、父親が2か月ほど前に亡くなったと知りました。

書面には父親が遺言書を作成しており、弁護士が遺言執行者である旨が書かれていました。

遺言書のコピーも同封されていましたが、内容に問題がありました。

相談者に農地を相続させる内容の遺言書

父親が作成した遺言書には、農地(価値は無い)を相談者に相続させると書いていました。

一方、再婚相手との子には、建物・宅地・駐車場・預貯金を相続させるです。

遺言書の効力は父親の死亡と同時に発生するので、相談者は農地を相続することになります。

弁護士が農地の相続登記を済ませていた

弁護士からの書面には、父親から相談者への相続登記(農地)をすでに済ませたと書かれていました。

弁護士は遺言執行者に指定されていたので、相談者への相続登記を済ませてから、相談者に書面を送ったようです。

相続登記も済んでいることに驚いた相談者は、司法書士に相談すべく連絡をしました。

司法書士から相談者に伝えたポイント

相談者から事情を聞いたうえで、司法書士は以下の2点を伝えました。

  • 相続放棄は問題なく認められる
  • 遺留分侵害額は請求できなくなる

相続放棄は問題なく認められる

弁護士が父親から相談者への相続登記を済ませていても、相談者の相続放棄は認められます。

なぜなら、相続放棄の要件を満たしているからです。

  • 相続の開始を知った日から3ヶ月以内
  • 相続財産を消費していない

弁護士の書面により父親の死亡を知ったのは数日前なので、期間的にはまったく問題ありません。

また、相続登記を申請したのも弁護士であり、相談者に知らせず済ませているので、相談者が相続財産を消費したわけではありません。

今回のケースであれば、相談者の相続放棄は問題なく認められます。

遺留分侵害額は請求できなくなる

相談者が相続放棄すると、再婚相手の子に遺留分侵害額は請求できません。

なぜなら、相続放棄すると相談者は相続人ではないので、遺留分も失うからです。

農地が不要でも遺留分侵害額請求をするつもりなら、相続放棄は選べません。農地を相続したうえで、遺留分侵害額請求をします。

相談者は相続放棄を選んだ

司法書士の説明を聞いたうえで、相談者は相続放棄を選びました。

遺留分を失っても問題ないか確認しましたが、そもそも父親の財産を取得する気が無いので、相続放棄したいとのことでした。

相談者から依頼を受けた司法書士が準備をして、2週間後には申述書を家庭裁判所に提出し、相続放棄は無事に認められました。

その後、申述受理通知書のコピーを弁護士に送付し、弁護士から更正の登記をしたと連絡があったので、今回の問題は解決しました。

司法書士から事例解説&アドバイス

司法書士から今回の事例解説とアドバイスになります。

遺言書で不要な不動産を押し付けてきた

今回のケースでは、父親が遺言書を作成して、不要な不動産(農地)を相談者に押し付けてきました。

おそらく、遺言執行者に指定されていた弁護士が、遺言書の作成にも関わっていると考えられます。

なぜなら、相続人へ知らせる前に、相続登記を申請するのは珍しいからです。通常は相続人に知らせて意思を確認してから申請します。

今回のように相続人が相続放棄すると、弁護士が申請した相続登記は無駄になります。

遺言書で農地を押し付けようとしても、相続放棄すれば引き継ぎません。

何もしなければ単純承認したとみなされる

相談者が弁護士からの書面を無視して何もしなかった場合、3ヶ月経過により単純承認したとみなされます。

後から農地が不要になっても相続放棄できないので、無視せず対応してください。

ちなみに、相続して遺留分侵害額請求をする場合でも、知った日から1年経過してしまうと、時効により請求権が消滅します。

相続放棄または遺留分侵害額請求どちらを選ぶにしても、無視するのは良くないと覚えておいてください。


このページでは遺言書で農地を押し付けてきたので相続放棄した事例の解説をしました。遺言書と相続放棄について詳しく知りたい方は、以下の関連記事をご覧ください。

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祖父母33,000
兄弟姉妹34,000
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料金は税込み
相続放棄の実費はすべて定額料金に含まれる

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