父親が亡くなってから8年後に不動産の権利が残っていると気付いたので相続放棄した事例。
| 相談者 | 40代女性 |
| 被相続人 | 父親 |
| 状況 | 不動産の権利が残っていた |
| 相続財産 | 何も無いと思っていた |
| 結果 | 相続放棄は認められた |
このページは、父親が亡くなってから8年後に不動産に気付いて相続放棄した事例の解説です。相続財産(借金・不動産)に後から気付いた場合の続放棄について詳しく知りたい方は、以下の関連記事をご覧ください。
関連記事を読む『相続放棄が10年後でも認められる3つのケースを徹底的に説明』
相談者が不動産に気付いた経緯

まずは、相談者が不動産に気付いた経緯について説明します。
父親は母親に不動産を贈与していた
相談者の父親と母親は婚姻していなかったが、父親名義の不動産で一緒に暮らしていました。
ただし、父親が亡くなると母親が不動産に住めなくなると考えた相談者は、父親に遺言書を書くよう何度も頼んでいました。
ある日、父親から「遺言書を書くのは嫌だから母親に不動産の名義を変えた」と言われたので、本当かどうか母親にも確認したところ、父親から不動産の名義を変えてもらったと聞けました。
相談者の父親は8年前に亡くなっている
相談者の父親は8年前に亡くなりましたが、預貯金等も特になく、不動産は生前に母親へ贈与しているので、父親の財産は特になかった。
また、父親が亡くなって以降、父親に関する借金等の書面も届いていません。
母親が亡くなったので相続放棄を相談
母親は父親から贈与された不動産に住んでいましたが、1か月ほど前に亡くなりました。
母親には不動産以外に財産がなく、相談者は不動産が不要だったので、母親の相続放棄について役所の無料相談を受けに行きました。
ところが、無料相談で不動産の権利証を見せたところ、不動産の権利が父親に残っているので、母親の相続放棄をしても不動産の所有者になると説明を受けました。
父親は不動産の権利を2分の1残していた
役所の無料相談では、以下の点が分かりました。
- 父親は母親に2分の1しか贈与していない
- 父親の2分の1は相談者が相続している
相談者は父親の相続放棄が可能か聞きましたが、難しいかもしれないと言われたので、ネットで相続放棄に詳しい専門家を探し相談を依頼しました。
相続放棄を司法書士に相談・依頼
司法書士に相続放棄を相談・依頼した流れの解説です。
相談者は不動産の状況に気付けなかった
相談を受けた司法書士は、以下の点から相談者は不動産の状況に気付けなかったと判断しました。
- 父親と母親の両方から聞いている
- 不動産の固定資産税は母親が支払っていた
相談者は父親だけでなく母親からも、不動産の権利が父親から母親に移ったと聞いています。
また、父親が亡くなった後の固定資産税も母親が支払っており、相談者には一度も固定資産税に関する書面が届いていません。
上記の点から考えて、相談者が父親に不動産の権利が残っていると気付くのは無理があるので、父親の相続放棄ができると説明しました。
登記事項証明書を添付書類として提出
相談者から相続放棄の依頼を受けた司法書士は、すぐに申述書を作成し相談者に署名捺印してもらいました。
※戸籍は相談者が取得済。
司法書士は申述書に「事情説明書」と「登記事項証明書」を添付して、家庭裁判所に提出しました。
- 事情説明書
-
相談者が不動産に気付けなかった事情をまとめた書面
- 登記事項証明書
-
父親から母親への贈与(2分の1)を証明する書面
相談者の相続放棄は認められた
家庭裁判所に申述書を提出してから約2週間で、照会書が相談者に届きました。
以下は、照会書に書かれていた主な質問です。
- 父親の死亡を知った日
- 相続財産の存在を知った日
- 相続財産を消費したか
相談者は司法書士に電話で相談しながら照会書に記入して、家庭裁判所に返送しました。
返送してから約2週間で受理通知書が届いたので、相続放棄は無事に認められました。
司法書士から事例解説&アドバイス
司法書士から今回の事例解説とアドバイスになります。
- 不動産の2分の1はが父親に残っていた
- 相続財産が無いと判断した事情が重要
不動産の2分の1が父親に残っていた
今回のケースでは、相談者の父親に相続財産は無かったはずでした。
なぜなら、生前に父親から母親に不動産を贈与していたからです。相談者は父親と母親の両方に確認を取っています。
ところが、父親は不動産の2分の1しか母親に贈与しておらず、残りの2分の1は父親の相続財産になっていました。
相談者は父親の死亡を知っていましたが、不動産の2分1が残っているとは気付けなかったです。そのため、不動産に気付いた日が「相続の開始を知った日」に該当すると考え、家庭裁判所に相続放棄の申述をしました。
相続財産が無いと判断した事情が重要
今回のケースのように、被相続人の死亡は知っていたが、相続財産(借金や負動産)に後から気付いた場合、相続財産が無いと判断した事情が重要になります。
- 被相続人と疎遠で生活状況を知らなかった
- 相続財産は無いと聞いていた
- 相続財産を探したが見つからなかった
死亡を知ってから3ヶ月経過後に相続放棄する場合、上記のような事情を家庭裁判所に対して説明します。
もし後から相続財産が見つかった場合は、見つかった日(気付いた日)から3ヶ月以内に相続放棄の手続きをしてください。
このページでは、父親が亡くなってから8年後に不動産に気付いて相続放棄した事例の解説をしました。相続財産(借金・不動産)に後から気付いた場合の続放棄について詳しく知りたい方は、以下の関連記事をご覧ください。
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